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国って難しいっっ!

コソボの首都プリシュティナを歩いていて、必ず目について「?」となるのがこれ。





なぜここにクリントン?
なぜアメリカ国旗??



そして、ビル・クリントン通りにジョージ・ブッシュ通り??
(写真にはないですが、ジョージ・ブッシュ通りもあったのです)

それは、コソボの独立の経緯と大きく関係してきます。

コソボはアルバニア系(イスラム教)の多い地域。
一方、当時の支配政府であるセルビアはセルビア人が多数(キリスト教)を占める国。

旧ユーゴの国々が次々と独立としていく中、コソボもセルビアからの独立を目指します。
それに対し、「コソボ内のセルビア人を助ける」という名目で軍を派遣したセルビア。
内戦の勃発です。

内戦は苛烈を極め、コソボの街は破壊され多数の犠牲者が出ます。
(だから、前回のとおり町並みが綺麗だったのです)
一方コソボ内のセルビア系住民も虐殺されるなど、悲惨な状態になりました。
今まで同じ地域にお隣さんとして住んでいた人たち同士が、
「あいつはセルビア人だ」「アルバニア人だ」と殺し合いを始めたのだそうです。

ここにアメリカを中心とするNATOがセルビアを空爆。
コソボは国連の管理地域となり、独立宣言へとつながります。

つまり、コソボにとってアメリカは「独立の恩人」なのです。
NATO軍の派遣を決めた当時のクリントン大統領は英雄なのです。

ようやく誕生した国の中に、他国の大統領の銅像や国旗…
無理からに独立したものだから、その正当性を声高に主張しているようにも見えます。

そしてコソボの国旗と一緒に、もしくはコソボの国旗以上に多いんじゃないか?と思えるこの赤い国旗。





お隣、アルバニアの国旗でした。

「そんなにアルバニアが好きならアルバニアと合併すればいいのに!」
と思っちゃうくらい、どこにもかしこにもアルバニアの国旗。

後で調べてみたら、そういう考え方の人も多いのだそう。
マケドニアやモンテネグロ、セルビア、ギリシャにいるアルバニア人、みんなでひとつのアルバニアになろう!
という「大アルバニア主義」という考え方です。
(コソボの政府は「コソボは多民族で融和していく国だ」として認めていません)

民族主義的な考え方で、多民族・他宗教なこの地域では、紛争の火種になりかねません。

生まれたばかりのこの国は、まだまだ「僕たちは国なんだぞーっっ!」と主張することに精一杯になっている感じがします。

実際、今でもアルバニア系住民とセルビア系住民の対立は深く、

同じ学校には通わせない。
同じ店は利用しない。
あの橋は渡らない。

など、平和的独立とは言い難い状況なのだそうです。
(セルビア国境近くまで行ったヨーロッパ人カップルはそういう様子を見てきたようでした)

2008年に一方的に独立を宣言したコソボ。


独立記念のモニュメント

現在コソボを国家として承認しているのは日本を含む104カ国。
そのほかの国は、コソボをセルビアの一部とし、国とは認めていません。


承認してる国で作られてるんだと思う
ちょっと前までは真っ黄色だったみたい



コソボの国家承認の様子がわかる地図
青が承認、赤が反対
ウィキペディアより


授業では「国家の三要件」として、領域・国民・主権があること、と教えます。
領土があって、そこに支配する国民がいて、それを自らの力でコントロールできる政府がある、ということです。
でも、その3つさえそろっていたら「国」になれるのか、というと違うんだなと、教えといて何ですが気づかされます。

「国」というのは条件がそろっていれば自動的に「国となる」わけではなく、周りから「国だと思われる」から「国」となる。
4つめの要件として「大多数の国から『国だとみなされる』こと」というものが必要で、これを得るのが難しい!

う~ん…
なんとも抽象的ですが、コソボに来るとそのことに気づかされます。

コソボは独自の政府を持ってるし、軍隊もいる。
当然国民もいる。
国境管理もしてるし、郵便局も報道機関もある。
独自の通貨こそ発行してないけど、それ以外は国としての体裁を整えていると言えるでしょう。

でも「国じゃない」って言われちゃう。

似たような状況に置かれている場所として、パレスチナも挙げられるでしょう。
パレスチナは132カ国が国家承認しています。
(日本は国家承認していません)


ウィキペディアより

でも、領土はイスラエルに分割されまくり、自治政府の権限が及ぶのも制限があり、国境管理もイスラエルに握られてる。
通貨だってイスラエル通貨を使ってた。

状況としてはコソボの方が、よっぽど「国」でした。
でも、国際的にはイスラエルを「国」と扱っている方が多い。

不思議だなー、と思います。

絶対的なもののように見える「国」だけど、その実ものすごく恣意的な存在なのです。

何を基準にして訪問国数カウントをするのかは、単純そうに見えてものすごく複雑でびっくりです!
私たちは私たちの肌感覚でカウントすることにしました。

国連から「オブザーバー国家」としてお墨付きをもらっているパレスチナもカウント。
コソボは国連に承認されてませんが、国境スタンプを押されているし、国としての体裁を整えていたのでカウント。
この後30分だけ通り過ぎたボスニア・ヘルツェゴビナもスタンプがあるからカウント。
それより長く滞在してるけど、トランジットで立ち寄ったスタンプのない国はノーカウント。

こうしてリアルタイム、28カ国目に入りました。
国連加盟国だけで言ったら26カ国。
一瞬でも着地した国を含めると31カ国。

この後台湾とかデンマーク領グリーンランドとか行ったらどうカウントするんだか…!

一人ひとりが生きている。
それの集合体ってだけなのに、「国」って難しいっ!!
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